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セブンでコピー本作ってみる

2016年4月22日段階、セブンイレブンのマルチコピー機でのコピー本の手順を追ってみました。
あくまで小説本のコピー本の作り方なので、解像度とかトーンのモアレ対策とか縮小率とか、画像にかかわるところは総スルーです。

そういう詳しいことを知りたい人は 眠れない夜空さんの「セブンイレブン ネットプリント活用講座 Vol.12 文書プリントで格安A5本印刷 【前編】」あたりから眠れない夜空さんが行っている検証をざざっと見ましょう。大変ためになります。(リンクにも追加しました)

…奥が深すぎて、めまいがします。そうです、それがコピー本です。
(だから印刷屋がいいよ、と…)

とりあえずここでは、小説同人誌をセブンイレブンで作る際の流れをだだーっとやっていきます。

あ、中閉じだから必ず4の倍数になるようにね!!!!

作る本のデータ

A5/12P(表紙4P+本文8P)/中閉じコピー本
  • 表紙はJPGをフルカラープリント(50円)
  • 本文はワードから出力したPDFを「小冊子プリント」で。モノクロプリント(10円×4)
  • 表紙・本文ともに紙替えは行わない(というかセブンでは行えない)
  • 本文はコピーテンプレート、ラウンドセットシリーズグレーを使用してPDFに出力
  • 表紙はコピーテンプレート表紙350dpiを使用
本文見本ワード 本文見本PDF
表紙見本JPG1 表紙見本JPG2

セブンにいく前に

とりあえずワードの書類をPDF形式で保存したものと、表紙をJPG形式で保存したものをUSBあたり(※詳細はこちら)にいれていきます。
今回はデザインの都合で表紙2枚ですが、基本表紙のJPGと本文のPDFを準備する感じです。
PDFはワードを別名で保存してpdf形式を選ぶだけです。らくちん!

本文-普通紙プリントの手順

データを片手にどきどきセブンに向かいます。
コピー機についたら小さなトラップが二つありますが、乗り越えましょう。
まず、視界に明らかにデータを差す場所があるから開けようとしてしまいますが
持ってきたデータメディアを機械に差すのは今じゃない。
無理に開けようとして壊すと大変です。まずはタッチパネルを触ります。
そしてさらにトラップです。コピー本コピー本言っていますが
選ぶのは「プリント」です。



最初の難関を乗り越えました。写真とかプリントしません。
もちろん選ぶのは「普通紙プリント」です


使用同意を聞かれたりしますが、そこでNOって言ったら話がすすまないので
同意をするとメディアを聞かれます。
今回私の持って行ったのはUSBなのでUSBを選びました。


ここでようやくメディアゲートを開くための手順の説明です。
ちゃんと静電気除去マットに振れて「確認」を押してようやくメディアゲートが開きます。
さいきんのきかいってすげー!!!


種類を聞かれるので、今回のようにPDFでひとまとめになっている場合は
「ふつうのプリント」を選びます。


USBメモリの中身が見えます。JPGもフォルダも全部見えてしまうので、ややこしく
ならないように一番上に必要な書類しか置いておかないこと、日本語もつかえるので
わかりやすい名前にしておくことがコツです。
ちなみに私はテストにいろんなものをいれてったんでおろおろしました。
刷りたい本文を選びます。


選ぶと、この書類でいいか聞かれます。
なんか最終確認っぽくて えっ、小冊子もなにも言ってないけど決定でいいの?!って
不安になりますが「これで決定」ですすみます。
私は不安になって3度ほどうろうろしました。


ここでモードとサイズを選びます。本文はモノクロなので「白黒」。A5のものをA4に
刷って二つ折りするのでサイズは「A4」です。
そしてようやく小冊子の文字が見えます。タッチです。


押すとなんか親切な説明がでますが、まあ概ね間違いもないのでさらーっと流して
閉じ側の設定です。縦書きなので右とじです。
「これで決定」をすると前の写真に戻ります(撮り忘れました)。
小冊子が選ばれていることを確認したら「これで決定」します。


刷る部数を聞かれます。
最初は1部にして間違いがないか確認するのが安全かと思いますよ。
そしていよいよ「プリントスタート」です。


刷りあがりました。
まとめて取って、半分に折るとちゃんとノンブル通りになっているか確認してから
大量印刷しましょうね!



表紙-普通紙プリントの手順

なんとなくこいつのことがわかってきたかと思います。
まあ、表紙はようするに選ぶところで表紙のJPGファイルを選んで、
カラーで表紙を刷ってあげればよいのです。
ただし続けてやると小冊子プリントが選ばれたままだったりしますのでこの画面での
確認はちゃんとしましょう。


表紙が刷りあがりました。



製本

本文も表紙も刷れました。あとは家に帰って半分に折ってホチキスで止めるだけです。
中閉じに私が使用しているのはマックス 中とじホッチキス ブラック HD-10DB/K
ですが、別にまん中を閉じられればなんでもいいです。
回転式のとかでも問題ないです。差は安定度(回転するから、ちょっと不安定)だけなので、
大量にコピー本を作るとかじゃなければ十分かと思います。
100とか200部とかの大量生産になるとちょっとの安定度の差が手間になって心が辛くなるという、心の問題だけなので…。

間にご家庭によくある色上質紙(※ないね…)なんかを遊び紙にはさんだりしたら
結構立派なかんじになります。今回は水色の色上質紙をはさみました。


ひとまず完成です。




コピーの欠点を理解する

意外とさらりとできてしまって、いいじゃん!セブンのコピー本!ってなりますが、ここでコピー本の欠点と対処をいくつか。

コピーでは端まで刷ることができない

お気づきかと思いますが原稿は丁度A4サイズで作成しています。
ですが、表紙のふちに白がでます。
コピーの特性としてすみに印刷することができないため、自動で縮小されてしまうのです。
普通に刷ったらどうやっても避けて通れません。
これがいわゆるコピー本っぽいコピー本に見えてしまうポイントかと思います。

対処として一番簡単なのはデザイン変えちゃうことじゃないですかね

これが端まで刷らないデザインの表紙。

これだけでも結構コピー本っぽさがなくなります。

問題点は、そもそもピンチのときのコピー本。
差し替えの表紙準備するよーな時間ねーよ!!ってことでしょうか。
ですが、はじめからコピー本をつくるつもりなら十分一考の価値ありです。

あと、B4に刷ってカッターで切れば端まで印刷できるけど、
自分で裁断する労力をかけられるか否かですね。

え?裁断機ない??
カッターの手裁断最強ですよ????(素)


やってみたい熱心なあなたに、セブンの現在のフルカラーコピー機でB4で刷るとだいたい印刷面がA4とサイズと一緒になる裁断前提表紙用PSDを置いておきます。
(なんでこんなところにひっそり置くかっていうと機種によっては合わないかもだし、保証ができないからです)
(別に縮小率から計算したとかじゃなく、トライ&エラーを繰り返して3回目くらいにいけたやつなので、今後もずっと使えるかわからないし、そこんとこ理解のうえどうぞご自由にです)
セブンイレブンB4印刷・裁断A4完成表紙用紙(350dpi)


セブンプリントでは紙替えができない

まあ、これは仕方ないですね。
どうしてもこだわりたい人はキンコーズなどのコピーセンターに行くのが手かなって思います。
あと端まで刷れない対処にもかかりますが、うちにインクジェットあるなら表紙だけ紙替えでおうちで刷ってみたらどうかな??
最近のインクジェットは端まで印刷できるもんね。すごいよね。

注意すべきはインクジェットは意外と遅いし金を食うってことです。
全面塗りのある今回のようなデザインだと多分インクジェット機の性能にもよりますが、平気で1枚8分とかかかります。
しかも多分、けして安くないインクジェットのインクをばかすか食います。
予備インクありますか?前日夜に気づいても間に合わないよ。、
その表紙何枚すりますか?製本する時間みてますか?だいじょうぶですか?

ということはあるものの、やっぱりフルカラーで変わった紙に刷るのは楽しいので、
表紙だけインクジェットプリンターは魅力です。私もよくやります。


実は高いよコピー本

コピー本安いよねって印象がどうしてもあるんですが、
本文4Pで20円かかります。
本文16Pだったら80円です。
それにカラーの表紙をつけて50円追加。
遊び紙はさむのに最低1枚10円として、ここで、表紙を紙替えしたらその紙代もかかりますね。
紙は意外と高いので、最低30円くらいでしょうか。

この段階でA5の20P本が170円です。そこに製本の手間と時間がプライスレスで追加です。
最近はオンデマンドで小さな部数でもやってくれる印刷所が沢山あります。
A5/20P/30部で6000円の印刷所って探せばひょいひょいあります。
印刷所なら部数が増えればもっと安く刷れちゃったりもする。
コピーはずっと変わらずその原価です。最大の欠点かなって思います。

個人的にはそれでもコピー本で好きなことができるのは楽しいし、手軽だから是非やってほしいんですが、意外と高いよってことは心に止めておいてほしいなって。


一歩進んだコピー本のために(小口裁断のすすめ)(マニアックス)

ここから先はこだわりたい人だけでいいと思うんですが、
まん中に閉じたあとにね、これやるとクオリティがあがるので余力があったら
是非やってほしいのが小口裁断。
中閉じコピー本はどうしたってまん中が飛び出ます。

今回みたいに薄い本だと一見そんなに気になりませんが、やっぱりめくりにくいんです。
上下はまあ見逃していいかなって思うんですが、赤いラインのとこだけでも裁断を入れると
すごく読みやすくなりますよ!

え?裁断機ない??
カッターの手裁断最強ですよ????(二度目)

冗談抜きに下手なロータリーカッターなんかを使うよりは手の方がよっぽど綺麗に切れます。
30冊くらいだったら手でやっちゃうのが早いんじゃないかな。
コツは定規を押さえる手には力を入れるけど、
カッターを持ってる手は力をあんまりいれないことです。
一気にいきたいからって力を入れると定規がブレるので。
あとカッターの刃は惜しみなく折ってください。それで全然違います。
それでも難しい人はオルファの黒刃っていう
すごい切れる刃があるから手をだしたらいいんじゃないかな!

…まあ、ギロチン型の裁断機楽だし綺麗だし最強なんですけど高いし場所取るからねぇ…。


コピー本はたのしい!!

まあ、こんだけ説明してるからお察しかとは思うんですが、どんだけ欠点をあげても、
どれだけ、面倒なことがあっても、私はコピー本が好きです。

手をかければかけただけ、面白く、他にないものになっていく感じがすごく好きです。
こないだ友達がトレーシングペーパーにエンボスパウダーで疑似立体PPやってたのが
最高にアホで好きでした。

ま、そこまでしなくたって形になるのは十分楽しいので、
ぜひぜひ気軽にセブンで試してみてね!



以下おまけ。

(↑特殊紙フルカラーインクジェット。インクジェットはでこぼこの紙もインクがのりやすい)


(↑A5正方形裁断、まさかの平閉じ。両面テープ使用)


(↑縦長裁断。小口切りも兼用できる。左はインクジェット表紙。右はモノクロ特殊紙)


(↑コピーセンターにて。フルカラーコピーのち、裁断表紙。遊び紙多色、こちらも裁断)


(↑カラートレペ特色印刷(特色プリンター使用)。内表紙はインクジェット+特殊紙)